第80話

本当にこの前までの痛みは何だったんだっていうほど、行為中に痛みは無くて。


戸惑いのせいで泉を思い出すこともなく。


信じられないほど甘い甲高い声が出る自分が恥ずかしくて、咄嗟に下唇を歯で噛んで声を堪えたり、自分の掌で抑えたりしたけれど。



その度に晃貴がキスしたり、「手ぇ邪魔」とか言って手を繋いでくるから、声が漏れて···。



私は次々と襲いかかってくる晃貴の行動に自分がどうすればいいか分からなくて、もう晃貴に身を任せるしかなかった。





「大丈夫か?」


しばらくの間、晃貴に抱かれていた私は疲れきっていた。感じたことのない快感にまだ体が慣れていないせいなのか。


もうピクリとも動けない私を晃貴はお茶を飲みながら見つめてくる。



「···大丈夫じゃない······」



そう言うと、晃貴はからかうように笑い。

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