第78話

晃貴は私に愛情のこもったキスをしながら、片手で器用に私の制服のカーディガンをぬがして行く。



―――⋯⋯え、脱がす?



キスをやめた晃貴は、そのままシャツと、上の下着に手をかけ。



え、ま、まって、何してるの。



ホックが外れた瞬間、私は「まって!」と右手を上げていた。




顔を上げた晃貴は、ポカンという顔をしていて、「あげるの早くね?」って、言ってくるけど。



「ふ、ふく!」


「は?」


「服脱ぐの!?」


「⋯なにを今更」



なにを今更って、


だって晃貴!!


私のパンツ、脱がすだけだったから!!!


もしかして、真っ裸になるの!?



「ま、まって、」


「その右手は下げてください」


「さ、さげませんっ⋯」



晃貴の手が、緩くなったその下着の中に、入り込む。そして何事もなく、胸を露わにし、そこに舌を忍ばせる晃貴に、羞恥でどうにかなりそうだった。



今、思えば、胸も、さわられた、ことも、なく。

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