第73話

そんな怪力魔人は、力強く私を後ろから抱きしめてきて、「真希から誘われんの初めてー」と、全く、誘ったつもりは無かったのに。


晃貴は面白がって、背後から私の髪をどかし、首筋にキスをしてくる。


「ひゃっ、」と、いつもより高い声を出した私に、「あれ、ぐえじゃねぇの?」と、そこに吸い付いてきて。



なんなの、この男っ、

バカにしすぎだからと、


必死にその腕から逃れようと自分の体に力を入れた。

そうすれば急に力を抜いた晃貴。

その反動に「わっ、」と、前屈みに倒れてしまった私は、必然的にベットにうつ伏せになる形になった。



何するの、と。


慌てて起き上がろうとする私を止めるのは、力強い腕。



「自分から寝て、やっぱ誘ってんだろ、やらしー」



ち、違うから。

晃貴が急に力を抜くから!!



そう思って振り返れば、待ってましたと言わんばかりに、晃貴に唇を塞がれた。



「ん、!」



ま、まってと、晃貴の胸元に手を置く。舌を入れられ、また愛情のこもっているキスにドキドキする私は、キスをされながら今度は上向きに押し倒されていく。


キスから逃れ、ストップを求める私に、「俺キス魔だし、」と、私の悪口を根に持っているらしい晃貴は、私の頭をおさえるように深い、深すぎる甘いキスをしてくる。

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