「俺が心配しても、気持ち悪いと思われるだけだし。別に病院行く程じゃないだろ？」

鼻で、笑う、その人。

「⋯嫌いですか、晃貴のこと⋯」

ピタリと動きを止めたその人は、嫌な笑みを浮かべながら私の顔を見てきた。やっぱり、晃貴とは、似てない。

「弟が俺の事嫌ってるから、」

「⋯⋯」

「俺も、嫌い。それでいい？」

「⋯⋯」

⋯⋯弟なのに。

「⋯そう、ですか、」

「彼女だからって、あんまり深入りしない方がいいよ？ムカついて君のこと、殴っちゃうかもしれない」

深入り⋯

殴っちゃう⋯

「性格悪いとこ、晃貴にそっくりですね⋯」

ぽつりと言えば、その人は笑った。

「そうかもね」

晃貴のお兄さんは荷物を持った後、そのまま家を出ていき。

モヤモヤする私は、晃貴のところに戻り、私は絶対に離れない⋯、晃貴とずっと一緒にいる⋯、そう心に決めて晃貴の顔を見つめた。

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