第51話

―――晃貴は、どんな家族生活を送ってきたんだろう⋯。











翌朝、目を覚ました晃貴。

熱は昨日よりも下がっていて、「シャワー浴びてえ⋯」と、だるそうにするほど元気になっていた。



そんな晃貴に言う。昨日、お兄さんが帰ってきたこと。その事を知った晃貴は、凄く怖い、顔をした。「何か喋った?」とまだ熱があるのに、真剣な声を出す晃貴⋯。


多分、っていうか、絶対会って欲しくないんだと思ったけど。



「晃貴と同じ性格してた」



私は、笑って言う。



「⋯は?」


「でも、晃貴の方が100倍すき⋯」


「100⋯?1億倍だろ」


「うん、それ以上」



ふふふと、笑う私に、晃貴は「⋯ごめん」と謝ってくる。



「会わすつもりはなかった⋯、あいつマジで気持ち悪いから。⋯ごめんな」



会わすつもりはなかった。

それほど、お兄さんを嫌っていて。

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