第47話

晃貴が息苦しそうじゃない、穏やかな寝息に変わったのは、薬が効き始めた夜の事だった。



門限は19時だけど。

お母さんもお父さんも、ほぼ一人暮らしの状態の晃貴を説明してはいるから、「今日だけ特別ね」と、泊まることを許可してくれたお母さんとお父さん。


お姉ちゃんも「何か届けに行くから言ってね」と、どこまでも綺麗で優しい⋯。




晃貴が完食したお皿を今のうちに洗おうと晃貴の部屋から出て、キッチンに向かった。茶碗とグラスを洗っている時、―――ガチャ、と、聞きなれた音が聞こえた。



開かれた、玄関の音。



え?と、顔をあげれば、トントン、と、廊下から、足音が聞こえ―――⋯



ど、泥棒!?と、心臓かバクバクした私は、どうしようどうしようと、迷って。




水道の蛇口を止めることしか出来なかった私は、開かれる、リビングの扉に、ビクリと肩を震わせた。

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