第46話

「⋯いてくれよ⋯」


「からかわないなら、いてあげる」



クスクスと笑った私に、晃貴は薄目がちに、ふ⋯と笑い。「⋯ちょっと寝るわ」と、私の手を握ったままもう一度瞼を閉じた。





10分ほどして晃貴が寝て、手の力が緩んだすきに手を離した。

今のうちにと、何度も借りた事のあるキッチンでお粥を作ることに取り掛かる。卵とネギと塩が入ったお粥。




鍋に蓋をして、晃貴の部屋に戻れば、寝てはいるけど苦しそうに息をはいていて。


布団を肩までかけ戻した私は、さっきと同じように晃貴の手を握った。

早く良くなって。そう思いを込めて。



1時間ほどして晃貴が起きて、私が作ったお粥を出せば、「まきがつくってくれたからな⋯」と、絶対食欲がないはずなのに、茶碗に入った1人分のお粥を完食した晃貴は、薬を飲むとまたすぐに寝始めた。



汗をかいているから、タオルでふいたり。

「さむい⋯」と、たまに起きる晃貴に、毛布をクローゼットからとってきたりと、ひたすら看病して。

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