第38話

それぐらいの価値⋯。



「その分、真希の声はずっと聞いときてぇし、

真希のわがままなら何だって聞く。真希はずっと可愛い、痛がってる顔も好きだし、泣いてる顔も怒ってる顔も好き」



晃貴の指先が、私の頬を撫でる。

それさえもビク⋯と、感じてしまう⋯。



「俺で感じてる真希が、すげぇ可愛い」


「なに⋯言ってるの⋯」


「俺が初めてじゃねぇのは否定するつもりねぇけど。こういうのって、初めより最後が肝心なんじゃねぇの」


「最後⋯?」


「俺が抱くのは、ずっと真希だけ。これからも永遠に」




⋯⋯永遠に。

ずっと⋯。


嬉しくなって、赤くなる私に、晃貴は優しく笑う。

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