第5話

『あ!俺!俺だけど!』


すごくテンションの高い仁科君に、ちょっと戸惑う。



「あ、仁科君だよね?」


『そう!わかる?』


「登録してるから⋯」


『ああそっか!それはそうと月曜日持っていこうかと思って!全部で6冊あるんだよ!』


「あ、ありがとう⋯ほんとにいいの?」


『いいよ!あ、でも、重いかな?2冊とか間を開けて持っていった方がいい?』


「どっちでも⋯」


『じゃあ、2冊持っていくよ!結構大きいし、重いから!あ、でも、早く感想ききたいし、全部持っていった方が⋯、あ、じゃあ間をとって3冊ずつ持っていくよ!』


「あ、あの仁科君⋯」



電話でも圧倒され、困っていると、突然仁科君の声が聞こえなくなった。



この代わり、「誰?」という低い声が、私の下から聞こえて。

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