第81話

2人でバイトに行き、いつものように東雲くんに送ってもらって帰る。





そして、夜中になると日向に呼び出されて、家を出る。




春ということもあって前みたいに寒くはない。




繁華街は夜中なのにここだけ昼間のように明るく、賑わっている。




私は急ぎ足で日向の家に行った。





日向はいつものように廊下の壁にもたれかかっている。




「ひな…遅くなってごめんね…」




彼にそういうと、私の方を見て




「リリちゃんは、あの不良の方が大事なの?」




そう聞いてきた。





「東雲くんは、私にバイトを紹介してくれたいい人だよ。何度も助けてもらったりもしてるの。ただの友達。」





「でも、俺より大事なんでしょ!!」




叫ぶように泣いて言う日向は、正気ではないようだった。





「ひなの方が大事に決まってるじゃん!そうじゃなきゃ毎日来ないよ。」

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