第61話
「‥‥!?これ・・・・なんでこんなに余ってるの・・・」
母から受け取ってきた生活費だった。
お父さんに経済量がないから、お母さんは毎月お金を送ってくれていた。
私のバイトの給料で生活費は払い、あとは、お父さんの給料や、貯金などを切り崩して生活をしていた。
お母さんからもらったお金にはほとんど手を付けず、二人のいつか必要になることが考えられる進学の時のお金のために残していた。
「二人のために使って。」
やりくりするのは大変だったけど、意外と楽しかったのも事実だ。
「これは、あなたが使いなさい。」
「お母さん、いっぱい送ってくれてたの知ってるよ。最初は金額の大きさってあんまりわかんなかったけど、キャリアウーマンで結構稼いでるのに、質素な生活してるんでしょ?二人のために使って。お願い。」
そう言ってお母さんに通帳を無理やり渡す。
お母さんが、私たちのことを心配してくれていたのは知っていた。
私は、お母さんの背中を押して、玄関から出すと、車に乗る二人に手を振って、玄関のドアを閉めた。
玄関のドアのカギをガチャリと閉める。
その場で崩れるように座り込んで泣いた。
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