第60話
私は、二人の荷物を持って二人を追いかけた。
玄関に行くと「おねーちゃんありがと!」と荷物を受け取った。
「じゃあ、行こうか。」という母に二人は「うん!」という。
私は、「じゃあね、二人とも元気で。」そう言った。
二人は振り返り、私のほうを見た。
「おねーちゃんは?」そう茉莉花が聞いてくる。
お母さんは私を見て「凜々花、二人に行ってないの?」と聞いてきた。
「言いづらくて。」
そう言うとお母さんはため息をついた。
二人は困惑している。
「なんでねーちゃんだけ行かないの?」そう聞いてくる春樹に
「ごめんね、私は・・・・お父さんのとこの残らなきゃ・・・・お父さん一人になっちゃう。」
「いやだ。」という二人に、
「ごめんね、でも、そんなに遠い距離じゃないから。会おうと思えばすぐに会えるし、何かあったら連絡してくれれば、すぐに駆け付けるから。ね?笑ってバイバイしよ。」と言った。
二人は、お母さんに車に行っているように言われ、しぶしぶ車の中に入った。
お母さんと二人きりになり母は口を開いた。
「本当に一緒に来ないのね?」
「うん・・・あっ・・・ちょっと待ってて。」
私は走って部屋まで行くと通帳を一つ取り出し玄関まで行った。
「これ・・・・」
母に渡すと、母はその通帳を受け取り開いた。
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