私たちの母

第48話

母に連絡を入れると、明日なら空いているということで、会えることになった。





お父さんのために、休んでしまったのと、これからも世話があることから、しばらくバイトに行けないことを伝えると、レストランのバイトはクビになってしまった。





何日も休まれたら迷惑だろう。





ひと段落したら、すぐにでもバーのバイトに入れてもらおうと思った。





叔母さんは帰り、私も父の荷物を渡したら、家に帰った。





家に帰ると「お父さんは・・・?」と春樹と茉莉花が聞いてきた。





着替えを取りに着たり、お風呂を入りに来たのは二人が学校に行っている間だったため、二人は状況を知らない。





「大丈夫だよ、目を覚ました。なんともないよ。」そう言うと、安心したような顔をした。






「ねぇ、二人は・・・・お父さんと、これからも暮らしたい?」




二人は黙って考えるような顔をした。





「私・・・・・昨日お父さんが、倒れた時・・・・心から悲しいと思わなかった・・・・これからどうするんだろうとか、最悪のことを考えて、私たちの暮らしを心配することはあったけど・・・・私・・・・酷いね。」




茉莉花は、静かに涙を流した。






「俺も・・・・父さんが家にいないことで少し安心した。いきなり怒り出したりする人がいない。それだけでだいぶ心が楽だった。」







「そっか・・・・」私は、もうこの家で4人で住むのは難しいと思った。





明日母に会うことは二人には言わなかった。




母のことが好きだった二人は、きっと期待してしまう。




もし、母のとこに行けなかったら、可哀想だ。

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