第34話

「私から、行っておくね。」というと、茉莉花は「ありがとうおねーちゃん。」と言って笑った。





「高校は決めたの?」と聞くと「西女か、東高かな…」という。





西女も東高も、偏差値が高いことで有名だ。二つとも普通科の高校で、卒業後は短大か、大学、専門学校に行くのが通常だ。





お金を貯めておいてよかった。と思いながら、「いいじゃん。がんばりなよ。」と言った。





食べ終わると、父の部屋に行きノックをする。




中に入ると、執筆をしていて話しかけにくい。





「お父さん、茉莉花の三者懇談の日程決まったらしいから、カレンダーに書いておくね。」




そう伝えると、「………わかった。」と聞こえた。




集中しているときのお父さんはあまり話を聞いていないことが多いけど、カレンダーを確認することが日課の父のことだから、たぶん大丈夫だろうと思った。




外を見たら雪が降っている。明日はバイトの面接だからあまり積もらないことを祈りながら眠った。

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