第33話

「今日の夕飯なにー?」




と聞く春樹に「ハンバーグ」と答えるとゲームを閉じてキッチンまで駆け寄り「ハンバーグ!やった!」と言う春樹は可愛い。





「もうちょっとかかるから、お風呂入ってきな。」というと、素直にお風呂へ行った。





思春期男子にしては、素直だ。




母がいなくて大変なことをきっと分かっているのだと思う。





可哀想だけど、どうすることもできない。





甘えさせてあげられないことを。お母さんの代わりには到底なれないことを、申し訳ないと思っている。






夕飯は、3人で食べた。父はいつも通り降りてこなくて、父の分は冷蔵庫にしまった。





春樹は食べ盛りで、ガツガツ食べる。




そんな彼を見て、私の分のハンバーグを半分あげた。





茉莉花を見ると、彼女が少し落ち込んでいた。





「何かあった?」と聞くと「三者懇談がある。」と答えた。





きっと、父に言いにくいのだろう。

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