第23話
きっと今頃先輩とキスをしているのだろう。
抱きしめあって、それ以上のことをしているかもしれない。
私とはしたことのないことを。
泣いたらだめだ。そう思っても涙が出た。
電車から降りて、家まで向かう道、繁華街まで行くまでは人通りが少ない。
繁華街に着くまでに涙を止めようと思い、鼻をすすった。
涙を拭くためにハンカチを出す。カバンから出てきたのは今日もらった可愛いピンクのハンカチ。
使ってしまうのは少しもったいない気がして、家から持ってきたもので目を拭いた。
人から物をもらうなんていつぶりだろう。こんな可愛いもの。
可愛いものはそこそこ値段がするから、あまり買うことはない。妹や弟には可哀想な思いをさせたくないから私の給料から買ってあげたりしているけど、自分のために買うことはなかった。
今日も繁華街は賑わっている。
酔っ払いに絡まれないようにしていたが、後ろから「JKじゃーん、かわいい〜。俺らと遊ぼうよ〜」と話しかけられた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます