第18話

彼は私に近づき、嬉しそうな顔をして、こう言ってきた。




「リリちゃん、俺彼女できた!」




嬉しそうに笑う彼に「よかったね。」と声をかける。





ショックな気持ちはあるが、彼は、私との関係が始まってからも、彼女が何回かできていたのだ。




彼女といられない日は私も呼ぶ。




彼に、「彼女がいるのにだめ。」と言っても、「セックスをしなかったら浮気にはならない。」という持論を言われて、何度も言い負かされてしまった。




自分でもわかってる。




都合のいい女になっているということが。




日向と別れ教室に行くと、ため息が出た。




荷物をしまって、授業が始まるまではいつも本を読んでいる。




今日も本を開いた。




本は好きだ。父が物書きというのもきっと理由の一つだと思う。




小さな時から「本をたくさん読みなさい。」と言われた。読書感想文を書いたら何度も賞を取ったし、



作文も選ばれることが多かった。







授業が始まり本を閉じる。

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