第12話

私はその声を聞き、いてもたってもいられなくなり、家を出た。




走りながらマンションまで向かう。





「日向!どうしたの?」




彼の部屋に入ると、いつものように玄関で体操すわりをして私を待っていた。




「リリちゃん・・・・・」




彼は泣いている。





「キスして・・・・お願い・・・・」





私は、今日もキスをした。





日向はさみしがり屋だ。





幼い時に両親が離婚して、母親が再婚し、新しい家族と馴染めなかったことから今は一人で暮らしている。





もともと、寂しがり屋の日向は愛情に飢えている。





私が来るより前は、特定ではない女の子を家に連れ込んでいたらしいが、ある夜一人きりになった彼は死のうとした。

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