第11話

父は少し気難しい人だ。




考え方が、昔っぽい人で堅物だが、いつまでも夢を追いかけているような人。





怒らせると、正直面倒なため荒波は立てたくない。




電車に乗って家まで帰る。夕飯はみんな食べたらしく流しに食器が置いてあった。





父は仕事をしているし、茉莉花は受験勉強、春樹は部活で疲れているだろうから、洗い物ができていなくてもしょうがない。




食器を洗い、洗濯物を畳んでいると電話がかかってきた。





日向からだ。




「どうしたの?」




そう声をかけると、彼は泣いている。




「日向?」





「・・・・リリちゃん・・・来て・・・」

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