第65話

昨日お茶を買ってもらったコンビニで、藤原という男と別れた。「また明日」という男の言葉と共に。


ということは、また明日待っているということ。






次の日も、男は病院を出たすぐの所に松葉杖で立っていた。私を見つけると、松葉杖を持っていない方の手を上げ、こっちに近づいてくる。




「··········藤原さん·····」


「だから和臣な」



硬派な顔つきの男。

正直、これってストーカーの部類に入るんじゃないかって思った。だけどそう思わないのは、この男の雰囲気のせいなのかもしれない。


どちらかと言うと、かっこいい顔つきの藤原。





コンビニまでの道のりは、2分ほど。


その道のりで、男は何かと話しかけてくる。



彼は私より1つ上の学年らしく、お兄ちゃんと同い年だった。「敬語じゃなくていい」という藤原という男に、私は従わなかった。



その日の2分間は、ずっと敬語で返事をした。

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