第64話
「·····やめてください·····」
「じゃあ明日も来るから」
「··········」
それをやめてって言ってるのに。
傘を、ささなきゃ良かった?
こうなることなら。
ううん、こうなるって分かってても私は傘をさしていた。助けない·····ってことはしなかった。
「8時·····過ぎに帰りますから·····」
「8時?」
「だからずっと待たないで。足を大事にしてください」
もう無駄だと思った。
やめてと何回言っても、この人は来る。
ならばせめて·····。
「大事にするから、そこのコンビニまで一緒に歩くってのは無理?帰り道だろ?」
無理と言っても、この人は強引に歩くだろうと思った。
「コンビニまでだから·····」
男は嬉しそうに、ちいさく笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます