第63話

「·····明日も待つ気ですか?」


ポツリと呟く私に、男は振り向く。




「そのつもり」


「あの、ほんとやめてください·····、足だって完治してるわけじゃないでしょう?」


「だからもうほとんど治ってるから」


「そうだとしても·····、困ります·····」


「··········」


「待たないでください」


「··········」


「お願いします·····」


「待たねぇから、俺と付き合ってくれる?」



唖然とする。

よく分からないことばっか言う男に。

こんなにも断っているのに、話が通じない。



「·····藤原さん·····」


「和臣な」


「·····」


「下で呼んでくれたら、明日は来ねぇって約束する」



明日は?


じゃあ明後日は?


来るつもりなの?

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