第50話

2時間ぐらい経った頃、侑李は目を覚ました。


「心配かけてごめんなさい」と。


「外出は·····ダメになったかなあ·····」と。



本当は誰よりも泣きたいはずの侑李は、いつもの様に笑った。





一時退院がダメになっても、私はこうして侑李が目を覚ました方が嬉しくて。



「今回がたまたま熱が出ただけだよ」


「早く髪·····、金色にしたいのになあ·····」


「そうね·····緑でもいいよ?」


「緑は嫌だよ·····」



ふふっと、笑う侑李が、本当に可哀想で見ていられなかった。



大好きな侑李·····。ずっと生きていてほしい·····。

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