第49話

「ご、ごめんなさい·····、急いでるの」


私はそう言い残し、侑李の病室へと向かった。


扉を開けようとした時、中からちょうど見知った看護師が出てきて。



「大丈夫よ侑李くん今ゆっくり寝てるから」


そう穏やかに言われ、安心したせいで膝から崩れ落ちそうになった。




「侑李は·····」


「昨日、ご両親がきてくれたのが嬉しかったのね。朝から少し熱があって·····、発作の時も侑李君、意識がちゃんとあってすぐに治まったから大丈夫よ」


「そ、ですか·····。ありがとうございました·····」




看護師の言う通り、侑李はベットの中で穏やかに呼吸をしながら眠っていた。口には呼吸器が付けられているけど、ちゃんと自分で息をしていて。



良かった·····


本当に·····。




本当に良かった··········。




私は眠っている侑李の小さい手を握りしめた。

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