第48話
来週の土曜日、日帰りでの退院が決まった矢先、私は病院に呼び出された。
病院からの電話で、侑李が熱を出し、発作が起こったとの事だった。
電話が来たのはちょうど学校から病院へ向かう最中だったから、私は走って病院へと向かった。
こういうことはあった。
小さな発作の時もあれば、酷い発作の時もある。
侑李の小さい体は、いつ悲鳴をあげるから分からない。
病院の前へつき、息を整え、自動扉が開こうとした時、「なあっ」と、真横·····というより、斜め後ろから声が聞こえた。
急いでいる私は、その声に気づかず、そのまま歩きだそうとし。
「密葉!」
突然、肩を掴まれ、きゃっと小さな声が出た。
驚いて振り向けば、そこには昨日、日曜日に会った男がそこにいた。
思わず目を見開く。
「えっ·····」
ハアハアと、息切れのせいで肩が動く。
「·····わりぃ、急いでるのか?」
硬派っぽい、黒髪の男。
どうしているの?
「あとででいい、少し話がしたい」
話?
なんの?
よく分からない私は、侑李のことが気になって仕方なかった。
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