第38話
日曜日のお昼、お母さん達は帰ってきた。
病院の中にいるのは約2週間ぶり。
「これ、大和(やまと)と食べて」
お母さんはお兄ちゃん名前を言いながら、病院のエレベーターの中で紙袋を渡してきた。食べてということは、何かの食べ物。
チン、となりエレベーターの扉が開く。
「ありがとう」
「いいのよ、病室は変わってない?」
「うん」
「密葉、ちょっと痩せたんじゃないか?」
「そんな事ないよ」
お母さん達と会話をしながら、私は病室の扉を開けた。
そこにはいつも通り、可愛い侑李が本を読んでいた。
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