第8話
──寄生虫
「俺ね、寄生虫が脳を蝕んでるのかなぁ?とか、大きくなった寄生虫がおしりの穴から出るのかなぁ?って考えたら凄く興奮するんだよね」
可愛い顔をしながら説明されても、頭の中が理解するのに暫く時間がかかった。
その寄生虫を口から出さないように手のひらで口元をおさえてる男は、「ごめんね、助かった」と、俺の方を見て笑った。
まるで寄生虫を体の中に入れることが当たり前のように。
「…いや」
背後から抱きしめるように口元をおさえ女を逃がさない、イカれた男。
そんな光景を見ながら、お古で寄生虫が入った女は嫌だなぁとぼんやりと考えていた。
「俺は
「…そうなるな」
「ふうん?名前は?」
「千尋」
「そうなんだ、よろしく。ほんと、ごめんね、迷惑かけて。2匹クチにするまではちゃんと縛ってたんだけど、もう大丈夫かな〜と思ったら逃げちゃった」
子供みたいに、ふふ、と笑った鈴は、「じゃあまた今度」と女を連れて階段を登り部屋に戻ろうとするから。
「なあ」と、そいつを呼びかけた。
未だに引きずるように、女の口元をおさえている鈴を。
「うん?」
「赤髪って、どこいるか教えて欲しいんだけど」
「赤髪?赤髪って、あいつの事かな?」
黒色の、勝。
ピンク色の、凪。
ハニーブラウン色の、鈴。
赤髪の──…。
「あいつなら、3階の部屋だったと思うけど?」
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