第41話

2人が何を言ってるのか分からない。

天井、ハルヒ。

それしか見えない私の視界だけ。


「や、めて、」と、声を震わせれば、私の肩をなでるハルヒが「……かわいそうに」と笑いながらポツリとつぶやき。



「中は俺が見とくから、お前は外、見張れ」



ハルヒが、私の唇をなぞる…。

す…とした切れ長の二重の目。高い鼻が近づいてくる。


何をするのかと。


いやだ、と、その人の肩を押した。



「…なにしてる、晴陽」


「いや、流雨が何時間もするほどこいつの口、美味しいのかと思って。お前やった?」


「もうすぐ流雨来るぞ」



柚李が煙草の灰を、灰皿に落としながら、自身の腕時計を見た。



「そうか、残念」



鼻で笑ったその人は、体を起こすと「寝てないだろ、寝てな」と、私の頬を撫でるとベットから降りた。



煙草を消した柚李と、その部屋から出ていく2人の後ろ姿を見てほっとし…。




何が何だか分からない私は、



帰りたい……、と、切実に思いながらシーツに顔を埋めた…。

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