5 days to go
runa side
第39話
──月side
どうして──…
「どう? ナナ、気持ちよかった?」
私の肩に腕をまわし、楽しそうに笑みを浮かべるその人は、柔らかく私を抱きせる。
ベットの上。たぶん、窓の外を見る限り朝。
シャワーを浴びた私はあの後眠れなかった。どうしてどうしてという気持ちが、止まらなくて。
この部屋にはハルヒという男と、ずっと夜、私といた柚李だけで。
私と柚李が昨日何をやったか知っているハルヒ…。
いなかった、はずなのに。
扉の向こうで聞いてたのだろうか…。
もしくは柚李が言った…
「なあ、ナナのおっきかったろ?」
耳元で呟かれ、グッと拳を作る。
やだ…。
「ちゃんと挿入った?」
体を震わせる私を見て、くす、と、笑ったハルヒは立ったままの柚李の方へと目を向けた。
「ナナどうだよ、感想言えよ」
柚李は目を細め、軽いため息をつき、「……狭くて挿れるのに苦労した」と言い、「あーわかる、この子入口狭いよね」と私から腕を離すと、どこからか取り出した煙草に火をつけた。
煙が、部屋に広がる。
思わず、柚李の方に目を向けた。
柚李と、目が合わない。
それを見て、やっぱり〝どうして…〟と思った。
「今日もナナのにしてやろっか?御幸じゃなくて」
「1回抱けばいいだろ」
「プライド高いな、ほんと」
「…うっせぇな」
「つか、ゴム、ゴミ箱ねぇけど生でやったの?」
クスクスと、笑うハルヒは、鋭い目を、柚李に向ける。笑っているのに目は笑っていなかった。
「お前だってゴムしてなかっただろうが」
そういった柚李は、昨日、私を抱かなかった。
私の中に挿れることは無かった。
ただ、入口付近で自身を当て、ベットを揺らしていただけ。
挿れた〝ふり〟をして話す柚李…──
……どうして……。
「お前、ほんと、〝お優しい〟な」
そう言ったハルヒは、呆れたように、ふ、と息を吐き出し。
「この女がお前見て震えてねぇ時点で、抱いてねぇって言ってるもんなのにな」
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