第38話

なにかを察したナナは、目を閉じ。「…分かった」と返事をしたあと、ベットの方に近寄る。



「出てろよ、見られてると勃たねぇ」









──その女は、違和感で目が覚める。




薄暗い部屋の中。

ひゅ、か、ひっ…か。

喉の奥で叫び声が出て。




なに、と、咄嗟に腕を伸ばすも、その腕は簡単にとらえられる。


「動くな」と。


その声の低さで自分の首筋に顔を埋める男が、ナナだと気づいた時、女は目を見開く。〝どうして〟〝なんで〟。そういう考えが止まらず。




強引に足を開かれ、やっと寝ぼけた頭が覚醒して、「やっ、!」と、小さな声で叫べば、腕を捕らえていたその手を離し、女の口を手のひらで押えた。



「っ、ん…!!」



口を塞がれては、声を出すことが出来ず。



「…すぐすむ、じっとしてろ」



──〝裏切られた〟。


そう思って涙を流す中、ギシギシとベットが揺れる。


何が起こってるか分からない、抵抗しても声が出ない。


先程まで寝ていた女の口をずっと手のひらでおさえ──…






お腹あたりに欲をだされ。涙目になり、行為のせいで顔を赤くする女は…やっと、口を解放され…



「……どうして、」と、呟くも、男はその言葉を無視した。


ただ、「風呂、いけ」と言うだけだった。

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