第11話
「しんじ、て、…ほんとに…しらないの…」
うわんうわんと泣く私に、うぜえ…顔をする彼が、「嫌なら、媚売れ、…否定的だと余計酷くされる」と真っ赤になったシーツに目を向ける。
「わ…わたし、いつ、まで…」
「飯食え、後で服届けさせる」
服、届けさせる?
だれに、
だれに、届けさせるの?!
もう部屋に誰も来て欲しくないのにっ…
「や、やだ、あの人は、いや!」
必死に首を。横に振る。
「だれ、晴陽?」
ハルヒ…。私を抱いた男…。
処女を奪い首を絞めた男…っ、
「る、るうってひと、も、」
「──…ああ」
「や、やだ……、いや、」
「また、なんかあったら俺を呼べばいい、ここにいる時は俺が来る」
あ、あなたが、?
目付きの悪い、あなたが?
怖い、でも、
分からない
この人は、あの人たちよりもマシ。
それに見ず知らずの人が、この部屋に来るぐらいなら…
「あ、あなたが、いい、」
身を縮こませ、そう言った私に、その黒髪の人はふ、…と、鼻で笑った後、
「何かあったらその辺の下のヤツらに〝ナナ〟か〝七渡〟の名前をいえばいい。近くにいれば来る」
ナナ…?
「ナナワタリ…、ナナ?」
「いや、下は
「……」
「トイレは右隣。服届くまでそれ着てろ」
彼は、そう言うと、ベットの上にパーカーとコンビニの袋を置くと部屋から出ていった。
コンビニの袋の中には、そのコンビニのおにぎりが2つとペットボトルに入ったお茶があった。
この部屋から解放されるまで。
残り、あと、7日────…。
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