第9話

「うわ、かわいそ。血ぃ出てる」



その近くで、楽しそうな声が、聞こえた。


は、はっ、と、もう、息をするだけでも辛かった。




「どう?晴陽、敵のお姫様の処女、奪った感想」



ルウ、だ、この声、ルウ…。



私の上でずっとずっと腰を振り続けるその男……ハルヒと呼ばれた彼は、薄暗い部屋の中でふっ、と、笑うと、



「最高だな」



と、私の処女を奪っていく…



「今日は総長である晴陽に譲ったけど、明日は俺に貸してよ。あそぶから」


「ああ」


「あ、でもさ?なんかそのオンナ、向こうがカケルのオンナじゃないって言ってきてるけどどうする?」


「総長のオンナしか入れねぇ部屋にいて、処女なのにオンナじゃねぇのか?」


「だよねぇ?」


「まあ、オンナじゃなくても別にいい、暇つぶしだ。関わりがあるのは変わんねぇ、ボロボロにして返す」


「おっけーじゃあそういう方向で」





いたい、いたい、くるしい、痛い…。



どうして私が、こんな目に。



くるしい……。




「そんなに血で濡らして、気持ちいいのか」




そう言った男は、意気消沈している私の首に、手をかけた──…








いつ、その男の腕から解放されたのか、分からない。

そのベットのシーツは真っ赤に染まってた。

ナプキンからズレてしまった生理でも、こんな風にシーツが真っ赤に染まるのはなかった。




どうなっているのか、もう、意味がわからない私は、ふるふると、体を震わせ布団にくるまっていた。



ガタガタと、下半身の痛みが止まらない。

まだ出血してるのか、タラタラと中から何かが零れていく。

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