第87話

私の宝物…。




「…じゃあ、私を抱くのも、優しさなのですか?」


「それは…」


「………もう、抱かれたくない…」



そう言った私に、ユウリの腕が伸びてくる…。


横から私を抱きしめてくれたユウリは、「…分かってる」と、頭を撫でてきて…。




「シイナが苦しいの、ずっと俺は覚えてるから…」

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