第57話

今日は朝から夜かけてずっと雨が降っていた。昨日ずっと見えていた白いモヤみたいなのは、あまり見えず。


もしかしたらこれは電気の光や、太陽の光かもしれないと思いついたのは、そう遅くはなかった。


だって電気があるであろう上を見上げれば、そのモヤは強くなるし。朝は特にそれが強い。

だから雨の今日は、太陽の光が入ってこないから白いモヤモヤが見えないのだと思い…。








ケイシの手が、私の体を押し倒した。

ドクドクと心臓がまたうるさくなる。

この〝今からされる〟っていう感覚は、もう初めて抱かれた日から6回目だというのに未だに慣れない…。



顔を背ければ、指先が服の中に侵入してくる。目が見えないと、次にどんな行動をしてくるのか分からない。

だから受け入れているとはいえ、想像していなかったところに指先がくると、体がいちいち驚いてビクっと震えてしまう。



それに対して、毎回「…す、すみません……ごめ、なさ…」と、謝る。

けど私を無視するケイシの手が休まることは無く。



私はあまり〝濡れにくい〟らしく、ケイシの唾液と指で入口をほぐす事が多かった。時間にすると30秒程だろうか。



滑りを作ったケイシは、熱くて硬いものを、こじ開けるように中へ入れるけど。

それはまだ中の滑らかさが足りないらしく、途中でとまり、出口へと戻り、また中へと入ってくる。



「…〜……っ……」



それでも濡れていない奥の方には1回では行けず。また腰を引いて、今一度強く押し付けてきた。



ようやく中が、硬くて熱いモノに馴染み、最奥で止まる…。



この圧迫感が、未だに慣れない。



多分、ケイシの手が私の腰を掴んだ。



さっきの馴染ませる動きとは違い、それが動き出して、痛くて苦しくて、どうしようもなく体が震えてくる…。


ケイシが動くたびに、ソファの皮が鳴る。


ケイシは何も喋らない。



ぽたぽたと、また涙が溢れ出てくる…。



「っ、………ごめん、なさい…」



自分でもどうして謝ってるのか分からない…。



早く朝になってほしい…。


ユウリに会いたい…。



けれども、ケイシに抱かれていると思えば、まだ私はケイシのそばにいるということだから、ユウリと離れることは無いと思ってしまう。



それでも苦しいものは苦しい…。




ぐっと、最奥を突かれた時、腰に響くような痛みが走り「っ、いたい…」と、呟いた直後、その弾みで涙がシーツの上に落ちた。



「っ……、……ご、めさ」


「……」


「………ッ」


「……」


「………、………」


「……」


「……ッ…〜…ッ、」


「……」


「……っ、…や、」


「……」


「っ…!〜〜ッ!っ、」


「……」


「うっ……、っ、」


「……」


「っ、…っ、…──ッ…」


「……」











ずっと我慢すれば、いつの間にか終わってる。


圧迫感が無くなっている。


体の上に服を置かれる。



10分ほどの時もあれば、30分ほど中にいる時もある。ケイシのその日の気分によるらしい。




私が服を身につけたあと、またその腕がベットへ運ぼうとし、「……ソファが、い…い…」と言った私の言葉も無視するケイシは、そのまま私をベットの上に放置したあとそこから離れていく。



ソファがいい、

だってベットで眠ったら、きっと気づいているユウリは「ああ昨晩抱かれたんだな」って思うだろうから。



それでもケイシのベットで寝ろという、命令のようなものに背くことは出来なく。



瞼を張らせたまま、私はまた朝を迎えるのだった。

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