⑤
第57話
今日は朝から夜かけてずっと雨が降っていた。昨日ずっと見えていた白いモヤみたいなのは、あまり見えず。
もしかしたらこれは電気の光や、太陽の光かもしれないと思いついたのは、そう遅くはなかった。
だって電気があるであろう上を見上げれば、そのモヤは強くなるし。朝は特にそれが強い。
だから雨の今日は、太陽の光が入ってこないから白いモヤモヤが見えないのだと思い…。
ケイシの手が、私の体を押し倒した。
ドクドクと心臓がまたうるさくなる。
この〝今からされる〟っていう感覚は、もう初めて抱かれた日から6回目だというのに未だに慣れない…。
顔を背ければ、指先が服の中に侵入してくる。目が見えないと、次にどんな行動をしてくるのか分からない。
だから受け入れているとはいえ、想像していなかったところに指先がくると、体がいちいち驚いてビクっと震えてしまう。
それに対して、毎回「…す、すみません……ごめ、なさ…」と、謝る。
けど私を無視するケイシの手が休まることは無く。
私はあまり〝濡れにくい〟らしく、ケイシの唾液と指で入口をほぐす事が多かった。時間にすると30秒程だろうか。
滑りを作ったケイシは、熱くて硬いものを、こじ開けるように中へ入れるけど。
それはまだ中の滑らかさが足りないらしく、途中でとまり、出口へと戻り、また中へと入ってくる。
「…〜……っ……」
それでも濡れていない奥の方には1回では行けず。また腰を引いて、今一度強く押し付けてきた。
ようやく中が、硬くて熱いモノに馴染み、最奥で止まる…。
この圧迫感が、未だに慣れない。
多分、ケイシの手が私の腰を掴んだ。
さっきの馴染ませる動きとは違い、それが動き出して、痛くて苦しくて、どうしようもなく体が震えてくる…。
ケイシが動くたびに、ソファの皮が鳴る。
ケイシは何も喋らない。
ぽたぽたと、また涙が溢れ出てくる…。
「っ、………ごめん、なさい…」
自分でもどうして謝ってるのか分からない…。
早く朝になってほしい…。
ユウリに会いたい…。
けれども、ケイシに抱かれていると思えば、まだ私はケイシのそばにいるということだから、ユウリと離れることは無いと思ってしまう。
それでも苦しいものは苦しい…。
ぐっと、最奥を突かれた時、腰に響くような痛みが走り「っ、いたい…」と、呟いた直後、その弾みで涙がシーツの上に落ちた。
「っ……、……ご、めさ」
「……」
「………ッ」
「……」
「………、………」
「……」
「……ッ…〜…ッ、」
「……」
「……っ、…や、」
「……」
「っ…!〜〜ッ!っ、」
「……」
「うっ……、っ、」
「……」
「っ、…っ、…──ッ…」
「……」
ずっと我慢すれば、いつの間にか終わってる。
圧迫感が無くなっている。
体の上に服を置かれる。
10分ほどの時もあれば、30分ほど中にいる時もある。ケイシのその日の気分によるらしい。
私が服を身につけたあと、またその腕がベットへ運ぼうとし、「……ソファが、い…い…」と言った私の言葉も無視するケイシは、そのまま私をベットの上に放置したあとそこから離れていく。
ソファがいい、
だってベットで眠ったら、きっと気づいているユウリは「ああ昨晩抱かれたんだな」って思うだろうから。
それでもケイシのベットで寝ろという、命令のようなものに背くことは出来なく。
瞼を張らせたまま、私はまた朝を迎えるのだった。
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