第52話

あたしはクスクスと笑った。



「あと、胡桃、さっきの間違ってる」


「なにが?」


「妹扱いっていうの」


「え?」


「俺はお前のこと、フジの妹として見たことねぇよ」


「何言ってるの·····」



真面目な顔をしてる大駕は、本当に見慣れない。

大駕のくせに、大駕のくせに·····、フジの妹として見たことねぇって·····、ウソ·····、だっていつもシスコンとか言ってるのに。



子供扱いするのに。




「じゃ、じゃあ大駕はあたしにキスできる!?できないでしょ!!」


「はあ?」


「今!ここで!してみてよ!他の女の子とするみたいに!」


「胡桃」


「ほら早く」



あたしはズッと、大駕に顔を近づけた。


1人の女の子として見てるなら、キスもできるはずてしょ。



「いいんだな?」


「なに·····早くしてよ」


「お前を他の女みたいに、キスしていいんだな?」



他の女みたいに·····?


なに、どういうこと?

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