第37話

───目が覚めたのは、“何か”が私の腰元に触れた時。


誰かが布団の中に入ってきて、壁側を向いている私を後ろから軽く腕を乗せるように抱きしめた。


もう部屋の中は保安灯だけで、薄暗いけど、布団の中に入ってきたのは誰かは分かる。



「⋯⋯おかえりぃ⋯⋯」



眠たさが半端なくて目を閉じながら言えば、大駕は「鍵閉めとけって言っただろ」と、私の背後から呟く。



「⋯次は閉めとく⋯風呂入った?」


「ああ」


「⋯そっか⋯」


「寝るか?」


「⋯うん」


「おやすみ」


「おやすみ⋯大駕⋯」



覚えているのはここまで。

気がつけば太陽の光がカーテンの隙間からこぼれていて。私は寝ている間に寝返りをうったのか、大駕と向き合う形になっていて、まだ私の腰元には大駕の腕が乗っかっていた。

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