第34話

今まで合鍵なんて無かった。もしかして私のために作ってくれた?



「もし寝てたらそのままでよろしく。朝に帰るから」


「はいはい」



私は鍵をスカートのポケットの中にしまい、ヒラヒラと手をふる大駕に「後でねー」と手を振り店を出た。




お兄ちゃんが引退したあと、私は溜まり場に行かなくなった。

誰もいない溜まり場⋯。



────寂しい。

そういう感情の他に、────みんなが変わっていくっていうがあるから。溜まり場に行かなかった。

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