第33話
今まで合鍵なんて無かった。もしかして私のために作ってくれた?
「もし寝てたらそのままでよろしく。朝に帰るから」
「はいはい」
私は鍵をスカートのポケットの中にしまい、ヒラヒラと手をふる大駕に「後でねー」と手を振り店を出た。
お兄ちゃんが引退したあと、私は溜まり場に行かなくなった。
誰もいない溜まり場⋯。
────寂しい。
そういう感情の他に、────みんなが変わっていくっていうがあるから。溜まり場に行かなかった。
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