第32話

「胡桃のくせに生意気」



大駕は笑いながら、掃除が終わったのか、手を洗っていた。




「ねえ大駕⋯」


「んー?」


「ううん、なんでもない。もう開ける?」


「あと15分ぐらいで開けるけど」


「今日も12時まで?」


「それぐらいだな」


「じゃあ大駕の部屋で待っててい?お兄ちゃんに大駕に送ってもらえって言われてるし」


「そのつもり」



大駕はカウンターの上に置いていた鍵を、軽く私に向かって投げてきて。



「もうそれ持っとけ。合鍵。ちゃんと鍵しめとけよ」

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