第14話
待ってよ⋯
なんでみんなそんなに普通なの?
辰巳さんまで⋯
みんなどうかしてる!
私が大声を出そうとしたその時、「胡桃」と、お兄ちゃんが低い声を出した。暴走族の総長をしているお兄ちゃんの低い声は、妹である私でも、たまに怖い時がある。
「⋯なに?」
「辰巳が家族思いっての、知ってるよな?」
「⋯うん」
知ってるよ。
あんなに不良でも、家族思いっていうギャップが、私が辰巳さんを好きになった1部でもあったりするんだから。
「弟がいるのも知ってるだろ」
「うん」
「辰巳は弟の事をマジで大事に思ってる」
それも知ってる。
辰巳さんは弟のためなら何でもするって、聞いたことがあるから。
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