第17話

「名前は神楽稀雄。年齢は24。この辺一帯のBARやラウンジ、ホテルなんかも経営してる。喧嘩は負けなし。この街で穏便に暮らしたいなら、まあ逆らわない方が身のためだね。」


と、最後に軽く脅しをいれられた。


そ、そんなすごい人だったんだ!

そんな人の横に座っていることに妙な緊張を覚えた。


「あ、ちなみに俺は一ノ瀬颯ね?稀雄の補佐してる。」


その人は一ノ瀬颯(いちのせはやて)と名乗った。



「…神楽さん…と一ノ瀬さん」

「……名前で呼べ。」

「…………………稀雄…さん?」

「さんいらねぇ。」


え、呼び捨てで呼べってこと?


「むっ無理です!!」

「無理じゃねぇ、呼べ」


彼の威圧に耐えられず、恐る恐るその名前を口にする。


「……………き…稀雄………」

「それでいい」


すると神楽さ……稀雄は口の端を綺麗に持ち上げた。

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