第16話

「あの!……あなた一体何者なんですか?」


危ない危ない。

ここに来た本来の理由を忘れるところだった。



「え?君、稀雄のこと知らないの?」



そう言われても、昨日会ったばかりの人のことを知るわけがない。



「…知らないです。」



素直に答えると、



「知らずによくここに来たね。」



と、少し困ったような表情を見せて、彼について教えてくれた。

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