第12話

振り返るとそこにいたのは、昨日の彼ではなくモカブラウン色の髪に緩くパーマをかけ、女の私よりもかわいい顔をした男の人がいた。


「………どうしたの?」


声をかけられた驚きとあまりのかわいさに言葉を失っていると彼が話しかけてきた。


「あ!邪魔ですよね!すみません…。」

「ん?あー全然いいんだけど、それよりどうしたの?こんなところで」

「あの……神楽稀雄って人にここに来いって言われて…。」


彼が優しく話しかけてくれたので昨日の彼の名前とここに来いと言われたことを伝える。すると彼は、


「あぁ、稀雄ね?中にいると思うよ。入りな?」


と柔らかな笑みを浮かべて、扉を開けて私を中へと促した。


建物の中に入るとそこはBARのような場所だった。黒を基調としたモノトーンの店内。天井には高そうなシャンデリアまでついている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る