第9話
あ、やってしまった。
助けてくれた人に対してなんという態度を…。
もしかして私もこの人達みたいに殴られる…?
すると、
コツ、コツ、コツ
と高そうな革靴を鳴らしながらこちらに近づいてきた。
な、殴られる…!!
そう覚悟して歯を食いしばり下を向いた。
………………………え?
何この感触。
恐る恐る目を開けると、
「…!?!?」
さっき鬼のような目付きをしていた綺麗な瞳と目が合った。
私、キスされてる?
気がついた時には彼の胸を思いっきり押していた。
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