第90話

「年下は無理なのかよ?」



年下は無理?


その言葉に、私は唖然として矢島君を見つめ。





「無理って⋯」


「⋯なんでもねぇ⋯」



なんでもねぇって⋯。だって今の言葉。

そういうことでしょ?



「矢島君⋯」


「それ、やめろって」



前を向き直した矢島君は、階段を降りていく。



「名字で呼ぶの?」


「そう」


やめろって言われても。

じゃあ下の名前呼べと?


いや、それは⋯、ナシだろう。

いくら生徒がイヤだって言っても。



「なんて呼べばいいの?」



一応、聞いてみる。

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