第65話

その次の週の月曜日から、矢島君は学校へ来なくなった。



橋本君に聞いても、困った顔をしながら「俺も連絡取れなくて⋯」って言われて。


隣のクラスの、矢島君と仲がいい山本君に聞いても、矢島君の事に関していい情報は手に入れられなかった。



私があんな事を言ったから?

橋本君の言う通り、ほっとけば良かった?

矢島君が壊れてしまうから⋯。


でも、こんな事、いいはずない。

逃げ出した矢島君をもっとちゃんと捕まえておけば良かったって後悔はしたけど。


女を追い払ったのは、後悔してないから―――。




まるまる1週間矢島君は学校に来なくて、このままでは単位が足りず、卒業出来なくなってしまうと思い、私は生徒の連絡網を開いた。



そこに載っているのは、矢島君の母親の名前と、電話番号。


母子家庭⋯。

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