第59話

驚いている顔の矢島君を無視して、「23時25分。アウトね」と、自分の腕時計を見ながら言う。




「なに、このおばさん」


矢島君の腕に絡みながら、綺麗な女の人が言う。どう見ても20歳は過ぎている容姿。



おばさんだ?

てめぇとそんなに歳変わんねぇんだよ!!



「そちらの彼の学校のものです」


「はあ?」


「矢島君、何してるの?こんな時間まで。どこへ行くつもり?」



‘どこ’を強調した私は、矢島君にニッコリと微笑みかける。

矢島君は何も言わず、まだ私が話しかけたことに驚いているようで。



「学校?なら大丈夫っしょ?私20歳過ぎてるし、昴の保護者って事でー」



バカな女。

心の中でおもわず笑ってしまう。



「あなた、知らないの?」


「はあ?」

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