第44話

クラスのみんなは、授業をサボっていたり、ゆるい生徒ばかりだけど。



私の中で特に‘問題児’となった矢島昴。


複雑な家庭環境が、矢島昴という人間を作り出してしまって。





私はその日から、矢島昴に目つけるようになった。イケメンだからとか、そういうのではなくて。


ただ、‘問題児’の1人の生徒として。



教室の中でも、廊下でも、色んな女の子とお喋りしている彼。

私に見せた怖い顔をせず、普通に話したり、笑ったりしていて。その表情は普通の男子生徒だった。



けど、友達の橋本君と話している光景を見かけた時、私はえ⋯?と心の中で声を漏らした。

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