第39話

「早く教室に戻りなさい」


私みたいに、あの時、ああすればよかったって、後悔しないように。





「先生」



ふと、その場から離れようとした時、矢島君が私を呼んだ。



「それって、一人の女を好きになれってこと?」



一人の子を⋯?



「そうね、たくさんの子を相手するよりは、一人の子に本気になった方がいいんじゃない?」



普通はそうでしょ?というふうに、話す。

すると矢島君は、また馬鹿にするように静かに笑って。



「矢島君?」



なんで笑うのか、分からず。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る