第21話
「ちょっといいかな」
ちょっとっていうか、だいぶ呆れてた。
3人目の彼女と思われる子と、階段でイチャイチャしていたから。
この前とは別の子⋯。
また違う女子生徒と遊んでいるらしい矢島君は、女子生徒から私の方へと視線を向けた。
「⋯なんだよ」
ため息をつきながら、少し女子生徒から距離を取った矢島君。
ほんと、ため息をつきたいのは私の方。
「空白なんだけど」
「はあ?」
「名前だけって何?」
「⋯」
「ちょっと昴ぅ、何かあったの?」
女子生徒が甘い声で、矢島君に喋りかけ。
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